日本マイクロソフトが育休を6週間有給した件について考えてみた
こちらのニュースをもとに、育休について考えたことを書いてみたいと思います。
日経新聞(9月4日)
「日本マイクロソフトが有給の育児休暇を6週間取れる新制度を導入」
現在、育休を9ヶ月取得中の自分は、「ああ、なんて羨ましいのだろう」と思いました。
羨ましいというのは、6週間分の給与がもらえることではなく(それはそれでちょっと羨ましいけど)、
育休について前向きな企業に勤めている方たちが羨ましいという意味です。
今後は、日本マイクロソフト(以下MS)のような取り組みに、他の企業も着手していくのでしょうか。
10月1日に改正育児・介護休業法(改正内容は厚生労働省のHPを参照)が施行されますが、この流れに対して受け身ではなく、MSのように先取りして動ける企業が増えるといいですね。
MSの取り組みは、育休を取得しやすい環境づくりの一環として、とても良いものだと思います。
実際、自分も育休について考えた際、収入が減る(育休中は無給となり、育児休業給付金が支給される)ことが最も気になりました。
(育休を取るに至った経緯はこちらの記事をご覧ください)
しかし、今後は収入面だけでなく、様々なアプローチが必要だと思います。
たとえば、収入面と同じくらい(人によってはそれ以上に)深刻な問題として、「職場の雰囲気」が挙げられます。
現に、育休を取らなかった男性(正社員)の約26%は「職場が取りづらい雰囲気だった」と回答しているそうです。
(出展:平成27年度「仕事と家庭の両立に関する実態把握のための調査」三菱UFJリサーチ&コンサルティング)
自分の経験でも、育休中であることを友人に伝えると「うちの会社では無理だよ…」であったり、「理解のあるいい会社だね」といった反応が返ってくることがとても多いです。
では、取りやすい雰囲気をつくるにはどうしたらいいのでしょう。
すごく大雑把ですが、2つの策を考えてみました。
①会社のトップ(又はそれに準ずる人たち)が育休を取る
②若手が(たとえ取りづらい雰囲気でも)どんどん育休を取る
①の例として、Facebookのマーク・ザッカーバーグさんが、長女に続き次女に対しても育休を取得することが話題になりました。
会社のトップが育休を取るということは、インパクトが非常に強く、その会社で働く人たちの良い指針となるでしょう。
しかし、年功序列制を採用している多くの日本企業においては、会社のトップが、育休を取れるような幼い子どもを持つ親であるケースはほとんど無いため、実現は難しいかもしれませんね。
そういう意味では、②のほうが有効だと自分は考えます。
誰か一人でも口火を切って育休を取ってみると、周りも「あ、うちの会社、育休取っていいんだ」といった具合に、少しずつ行動を起こす人が増えて、いずれ大きな流れがつくれるかもしれません。
大きな声で言わないだけで、育休を取りたいと思っている男性は周りにたくさんいるはずです。
ただ、これは育休に限ったことではないですが、何事も「過渡期」に当たってしまった人は、環境が十分に整っていないため、多少の割りを食うものだと自分は考えています(良いか悪いかは別にして)。
実際自分も、役職が上がるのが1年遅れます。
でも、それと引き換えに、今こうして家族3人の時間をとても大切にできているので、実はそこまで「割を食った」とも思っていません。
また、プライベートに限った話ではなく仕事面でも、育休を取ったことで今後還元していけることがあると思います。
例えば、今後自分が部下を持つようになったとき、自分の育休の経験を生かして、部下の働き方について相談に乗ることがきるし、育休から復帰した部下のフォローもすることができます。
そういった意味でも、育休を取ってよかったなと心から思います。
さて、とりとめのない話を長々と書いてしまいました。
話は冒頭に戻りますが、これからたくさんの企業がMSのような前向きな取り組みをして、育休を取る人が増えることを望みます。
あとがき
話は変わりますが、フェイスブックジャパンのオフィスには、MOTHER'S ROOMという部屋があるそうです。
出産後に復帰した女性社員が、搾乳をするための部屋だそうで、冷蔵庫と電子レンジが完備されているとのことです。
企業が社員をどれだけ大切にしているかの「本気度」は、こういった取り組みにこそ現れてくるのかもしれませんね。